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さて長い前置きとなったが、ここで、師弟関係を結んだルーナとエリックの仕事ぶりを実際に見てゆくことにする。
◇
スーラを旅立った二人は二年の歳月をかけゆっくりと北上を続けた。
途中いくつもの小さな町や村、あるいは大自然の懐を経抜けながら、ルーナはネゴシエータとしての心得や技能を、少しずつエリックから学んでいった。
そしてある日二人は、西の大陸では最大の規模を誇る『グフタム』という国に辿り着いた。
それまで自分の村を出たことのなかったルーナには、途中目にしてきた様々な国も十分驚きに値していたが、グフタム国の時とは比べものにはならなかった。
入国の検閲を終え、砦を潜ったルーナは目の前に広がる光景に目を丸くした。
綺麗に敷き詰められた石畳が延々と続き、石造りの立派な屋敷が競い合うように肩を並べそそり立っていた。
沿道には様々なものを売る行商人が屋台の軒を連ね、それを買い求める人々が溢れかえっていた。
すごい。
スーラの村と同じ大陸に、こんな大きな国があったなんて。…
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