第一章 竜と人

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うっそうと茂る緑深い森。 早朝の澄み切った冷たい空気が凛と張り詰めたその空間を、突如強烈な叫び声が打ち破った。 「ギャオオウ!」 藪から飛び出したのは紺碧の鱗を持つ小さな竜だった。 竜は狂ったように頭を振りたて、その場でぐるぐると身体を転換させると、その鎧のような背中にしがみ付いている何者かを振り落とそうとした。
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