第一章 竜と人

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「よーし。今日の捕獲練習は終わりだ」 エリックはルーナに歩み寄り、捕らえた紺碧色の鹿ほどの大きさの竜の背中をポンポンと叩いた。 「こいつ、どうする?連れて帰って売るか?」 エリックが尋ねると、 「ダメよ!」 と慌てて首を振った。 「まだ子供の竜よ?町に連れて帰ったって、役立たずって言われて見世物にされるだけだわ」 「でも、いい金にはなるぞ」 竜の首に回したロープを解き、踵を返すとルーナはエリックをきっと睨んだ。 「本気で言ってるの?エリック」 蔑むような瞳に、エリックは思わず肩を竦めた。 無論冗談で言ったのだが。 エリックは、時折彼女が見せるルーナのこの正義に満ちた瞳の輝きについたじろいでしまう。 「分かったよ。お前の獲物だ。お前の好きにするがいいさ」 苦笑するエリックに、ルーナは満面の笑みで頷いた。
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