あらすじ

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あらすじ

 主人公である「私」は貸した二千円「高杉」に要求するが、高杉は金を持っていない。代わりに要求したのは、明日の昼食に付き合ってくれというものだった。  だが約束の日、高杉を連れ向かったのは汚い路地をいくつも抜けた先にある、時代に取り残された古い映画館であった。  高杉は文句を言うが、私はそれを制止して映画館の中に入る。中には枯れ木のような爺が一人、受け付けに座っていた。  私は爺に「ペンギン」を注文する。ペンギンというのは生物そのものではなく、ある都市伝説の入り口である。  私がネットで見つけた都市伝説。それはとある映画館でペンギンを注文すると、ある特別な料理を出される。それを食べる事が出来たら賞金と賞品がもらえるというものだ。  ご丁寧に地図まで用意されたその都市伝説を見た私は、映画館が地元である事を知る。そして高杉に貸している二千円を返してもらう為、高杉を利用して賞金と賞品を手に入れようと考えていた。  不気味な爺は私と高杉を劇場の中に招き入れる。二人で両開きのドアを開くと、そこには広いビーチが広がっていた。  訳の分からない状況に頭が混乱する中、爺はルールを説明し始める。 「紙に書かれた物を食べきったら料金は無料の上、賞金として二千円、さらに豪華賞品も差し上げやす」  紙には貝10個、魚3匹、ペンギン1匹と書かれている。料理はどこにもない。 「ないなら自分で作ればええでしょうが」  そのまま爺は消えてしまう。  こうして私と高杉は、料理を作る為に食材を集めようとするが、どの食材も厄介なものばかりである。  何とか全て食べ終えると、爺が賞金と賞品を渡して来る。ビーチや厄介な食材達はなんだったのかと爺に問い詰めるが、爺は何も覚えていなかった。  帰り道、高杉と今日の出来事は白昼夢か何かだったのかと話し合うが答えはでない。  しかし、賞品と賞金は確かに手の中にあった。
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