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「もしもし。隆です。」
「おう、どした?珍しいな、こんな時間に。」
「いや、ちょうど休講になってそれで、時間できたし今一人だからかけた。」
「そうか、大学楽しいか?」
「…やったよ。」
「ん?何?聞こえない。」
「聞こえてるんでしょ。だからやったんだって。」
「へえ。お前にも出来るんだ。相手体結構でかいんだろ?良く出来たな、褒めてやる。彼氏、どんな感じだった?」
「…てた。」
「何?聞こえない。」
「とろけてた。」
「へえ、いいじゃん。あの拘束具上手く使えたみたいだな。今度は媚薬持っていってやる。」
「嫌だ。もうあんなことしたくない。凌兄みたいなことしたくない。」
「俺みたいなこと?どんなことだよ。」
「…」
「双子なんだから、お前にも素質あるんじゃねえの。」
「違う!」
「うるさいな、もう。とりあえず一回紹介しろ。適当に言えよ。友達とかお世話になってる先輩とか。俺昔から見た目年齢高めだから、絶対バレないって。」
「だから無理。凌兄だけには…絶対紹介しない。」
「そうかそうか。そういう態度なら、こっちにも考えあるぞ。今からお前の家行くわ。」
「え?住所知らないじゃん。」
「俺を誰だと思ってんだよ。」
「駄目!今は!あ…いや…何でもない…」
「今は駄目?今以外ならいいのか?」
「まあね。」
「わかった。今日は止めとく。紹介しろよ、まじで。おい、聞いてんのか。」
「やっぱ休講なしになった。じゃあね。」
「ちょっと待っ…」
まさか俺の知らないところでこんな会話がなされてるなんて、それを知ったのはもうずっとずっと後のことだった。
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