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なんでも狙われるのは法学部志望の子供たちばかりだとか。
息子の孝太も法学部志望。
やだ、心配。とっても心配。
「孝太、この子とはお友達だったの?」
私の問いかけに、「別に」と孝太。
「みんなライバルだよ。友達になんかなりゃしない」
ぶっきらぼうにいい放つと、孝太は行ってきますも言わずに出ていってしまった。
不妊治療の末できた一人息子の孝太は私の宝物で自慢の種。小さい頃はあんなにママママとまとわりついたものなのに、成長するにつれて口をきいてくれなくなった。最近じゃ、あの子が何を考えているのか、よくわからない。
さっきだって、同じ教室で学ぶ子が次々襲われてると言うのに、少しも動揺しなかった。
私は、時々あの子が怖い。
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