第1章

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それでも、愛する息子のために、私は今日も頑張らなくては。 予備校へ持って行くためのお弁当の下ごしらえと、夜食のメニューも考えよう。それから、ワイシャツにはパリッとアイロンをかけなくちゃ。みすぼらしい格好なんか、させられるもんですか。 私は、孝太の洗濯物を1枚1枚洗濯機へ放り込む。 あれ…。 そして、手を止めた。 孝太のシャツの袖に、なんだか赤黒いものがこびりついている。 私は、そっと顔を近づけ匂いを嗅ぐ。 かすかに鼻孔を掠める鉄臭い匂い。 これは、血?
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