第1章
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その時、背後に気配を感じた。 恐る恐る振り替えると、無表情に私を見下ろす孝太が立っている。 私の口から、ひゅっひゅっと風を切ったような音が漏れた。 やっぱり、孝太は…。 一歩一歩、孝太は歩みより、凶器の金槌を拾いあげる。 「孝太…、あなた、やっぱり…」 ようやく声を絞り出した私に孝太は言った。 「やっぱり、母さんだったんだね」 息子は… 気づいていた。
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