男爵様と入寮騒動

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 ザワザワ… 漆黒の草原に風が吹き抜ける。 「決着は付いた。以後、好きにやらせてもらう」 鮮血色の月の下、二人の悪魔の決闘が終わった。 「ま…まて、なぜそこまで人間界にこだわるのだ?…貴様の力なら魔界を統べることも可能なはずだ…」 悪魔はちぎれた左腕を拾い上げ立ち上がりつぶやいた。 「疲れたのだよ、戦うことに…」 左腕を無理矢理つなぐと動くのを確認する。 「それだけの力がありながら貴様…」 負けた相手を一切見ずにその悪魔は闇へと消え去った。
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