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その強い瞳に負けないように、俺もしっかり見つめ返して目を見て力強く言った。
「……」
少し驚いたように見開かれた瞳。
「はっ、うん……お前ってそーだよな…」
次の瞬間にふっと細められ、柔らかく微笑んだ。
え?なにそれ、なんでそんなかお?
常に無表情で、喜怒哀楽なんか持ち合わせてないんじゃないかと思うような日頃の冬原とは思えない、あまりにも柔らかい笑顔だった。
「っ……」
咄嗟に視線を外し、自分の胸を見る。
なんでこんなにドキドキいってんだここ、ふざけんな!
「…好き、なんだ……」
「……!」
また、さっきと同じような低い声。
さらに加速する俺の心臓。
もー、わけわからんけど、心臓に悪いのだけはわかった!!
「た!た、例えばの話だけど!!」
俺は、下を向いたまま怒鳴る。
「俺とお前が、その…つ、付き合ったとしたらどーなんの?」
「…え?」
「その、つまり!
手ーつないだりとか、ちゅ、ちゅうとか!
することになんのかって!」
「……」
「俺は、絶対無理だと思うし、想像できねー」
「…まぁ、だよな」
だよなって…。
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