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「っはっっ」
「…はぁ……」
がばっと、肩を掴み自らの体を引きはがした。
寸でのところだった。
危うく、完全に制御不能になるところだった…。
…暗いからって、こんな誰が通るとも知らない公園で…なにしてんだ、俺たち…。
「………」
「………」
沈黙。
お互いの少し荒い吐息だけが小さく聞こえる。
「……悪いけど。俺のが先だよ?」
「……え?」
俯いていた顔をあげると、にっこりと微笑んだ顔と向き合った。
「すきになったの、俺のが先」
「………えぇ?」
はい、はなしてと、するりと肩に置いていた手を離された。
「そ、それって」
「入学して初めて会った時から、ずーっと片思いしてたんだよ、俺」
「…え、俺に?」
「うん。
…何人かと付き合って、テキトーに体だけの関係の子までいた時期も、お前のことずっとすきだった」
「う……。
それは…若気のいたりっていうか…性欲に正直だったっていうか…。
いや、今もあんまり変わんねーけど…」
つーか…なんでそんなこと、お前が知ってんの…。
今、好きなのはお前だけど…、なんか過去のいろいろ知られてると思うと、微妙に気まずい…。
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