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「はぁ?ケース? なんで、俺がっ」 あれから数日。 最初はいろいろ警戒してはいたが、今までと何も全く変わることがなかった。 いつも通りぼーっと学校の授業を受けて、ちょっと部活に気合出して、だらだらと帰る、冬原との毎日。 逆に何も無さすぎて、あの日の出来事は俺の思い違いか、夢かなんかだったんじゃないかと思ってしまうくらいだった。 そんな週末。 漫画をだらだら読んでごろごろ過ごしていた俺の携帯が鳴った。 かけてきたのは、冬原だった。 もらった割引券今日までだった。 買いに行きたい。 機械越しに聞くその声は、いつもより低く聞こえる。 「いや、だから。 なんで俺も一緒なん。一人で行けし、そんなの」 「二個分、割引されるから」 「…えっ、それ俺もいーってこと?」 「…うん」 iPhoneのケースなんぞに金をかけるようなタイプじゃない俺と冬原は、百均かどっかの安いケースばかりを買って壊れたらまたその辺のを買う、の繰返しだった。 そこへのこだわりがあったわけじゃないが、ヘボいしセンスもくそもないが特には気にならなかった。 確かにいい値段のが丈夫だし、いろんな柄あるけど、やっぱ高いからなぁ…。 憧れはもちろんあるけど、そこまで金をかけることもない気もする。 と、貧乏学生のけち根性とおしゃれ根性とを天秤にかけたときの結果はいつも同じだったわけだが。 これは、チャンスなんじゃねーの? 「まじでいーわけ?どこ?」
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