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いーい天気だなぁー…。
俺、夏川優斗は背中を反らし、天を仰いでみた。
本日快晴。
心地よい春風が頬を撫でて行く、そんな一日の終わり。
そろそろ太陽がオレンジ色に変わろうかとしている頃だった。
「春だなー。おい」
自分と同じように、土手の柔らかい草の上に腰を下ろした、冬原竜也を振り向いた。
「……だな」
いつもと変わらないシンプルな返事を聞いてまた天を仰ぐ。
春だなぁー。平和だわぁー。
なぜ男二人で、学校の帰り道の土手でぼーっと空やら川やらを眺める羽目になっているのか。
それはこの冬原の一言によるものだった。
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