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珍しいことを言い出す冬原の顔を伺ってみたが、いつもと変わらない無表情がそこにあった。
「逃げんなよ。約束な」
「はは、約束とか…なにそれ。
俺が逃げそうな話なん」
「……おー」
「へー?わかった、逃げねーわ」
「……ん」
俺も冬原と同じように流れる川を眺めた。
太陽に反射して、オレンジ色にキラキラ光る川面がずいぶんと綺麗だ。
「……俺、お前のこと好きだ」
「うん?」
「お前のことが……好きだ」
「え?あー、うん?
俺も好きだけど?」
クラスも部活も、同じで。
タイプは違うが、話が合うし気を使いすぎることなく気軽に付き合える。
大事な友人として、俺も好きだ。
なに?
そんなこと?
「……そっちの意味じゃなくて」
「え?そっちじゃない?」
「…そーいう意味じゃねー」
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