Chain of the love

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 貴方の左手には銀色に輝くナイフ。 『この子は私のモノだ』  違う。チガウ。違う……!  この人は僕を助けようとしてくれただけ。  貴方の愚行を止めたいと勇気を振り絞り、この地下へと続く扉を開けてくれただけ。  それなのに……どうして……! 『今宵も楽しませておくれ』  いつものように微笑みながら、貴方は僕に近付いて来る。  その手は美しい人の血で濡れている。  それでもあの日、差し伸べられた大きな掌に僕は縋った。  自らの意思で選んだ。その優しさの裏に歪んだ愛の形しかなくても。 【貴方ハ初メカラ、狂ッテイタノ? ソレトモ僕ガ、貴方ヲ狂ワセタノ?】  だから僕は彼女が遺してくれた切り札を使う。  安全装置を外す。それは解放の合図。  そして、引き金に添えた指に力を込めた。
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