蘭奈

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その場所は、駅近くの雑居ビルの一画にあった。 呪いの相談所なんていうから、もっと裏路地の異世界への入り口みたいなところを想像していたので、ちょっと拍子抜けをくらった感じだ。 「ここ……で間違いないんだよな?」 一応、YUKIに訊いてみる。 「うん……そのはず……だけど」 連れてきたYUKIも不安気だ。 入り口のドアには、「アンティーク雑貨の店 蘭奈」と書かれた看板がかけられている。 「眺めていても仕方ない。行くぞ」 そう言って、おれはドアノブに手をかけた。 カロンコロン ドアを押すと、なんか懐かしい音がしてドアが開く。 「いらっしゃい」 中年の女性の声が聴こえてきた。 声の方を見ると、年の頃は50前後。カツラなのか地毛なのか、ド派手な真っ赤な髪の毛にこれでもかってくらい盛られたまつ毛。 日本人なのか外人なのかもよくわからない女性が、タバコを吸いながら座っていた。
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