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「あの……佐々木さんの紹介で来たものですが……」
YUKIが恐る恐る切り出す。
「ああ、聞いてるよ。で、どっちが呪いをかけられたって?」
いきなり本題だ。やっぱり胡散臭い。
「ちょっと待って下さい。あなたが、その……呪いの専門家なんですか?」
こちとら、あと2週間で死ぬのかもしれないのだ。簡単に話を信じて、はい騙されましたじゃシャレにならない。
「専門家? 別に免許や許可証があるわけじゃないけど、少なくともあんたよりは詳しいと思うけどね?」
女性はそう言って、フーっとタバコの煙を吐き出した。
「ぼくには時間がないんです。できれば、あなたが頼りになるという証拠を見せて欲しいのですが?」
「……」
女性は黙ってタバコを吸っている。数秒間の沈黙が流れた。
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