20人が本棚に入れています
本棚に追加
「じゃあ何かい? 深々とフードでも被って、それらしい香でも炊いてりゃ、信用できるってのかい?」
「いや……それは……」
おれ自身、何か明確に「これだ」というものはなかったが、これから命を預けることになるかもしれない人物だ。何か、安心できるものが欲しかった。
「あんたが呪いをかけられたほうだね。信じようが信じまいがあんたの勝手だけど、他に行くところがないからここに来たんじゃないのかい?」
そう言いながら、女性がタバコをもみ消す。
「あ、あのう、この店の名前、ランナって言うんですか? 素敵な名前ですね。おばさんのお名前ですか?」
気まずい雰囲気に耐えられなくなったのか、YUKIが話題を変えた。
最初のコメントを投稿しよう!