遭遇

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パーン…… 警笛とともに電車がホームに滑りこんでくる。 目の前を走り抜ける車両を見ながら、絶望感に打ちひしがれていた。 ぎゅうぎゅう詰めというほどではないが、少なくとも座れるほど空いている車両は見当たらない。 ……今夜はPCの前には座らず、早く寝てしまおう。 そんなことを思いながら徐々にスピードが落ちていく電車を眺めていると、奇妙な光景が目に入ってきた。 混雑する車両が続く中、1両だけほとんど人がいない。 どういうことだ? 何か、人が乗りたがらない理由でもあるのだろうか? でも、そんなことはどうでもいい。座って寝られるのなら、多少のことは我慢しよう。 そう考えながら、足早にその車両を追った。
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