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「先生って大学生?」
「うん。大2」
ってことは、20歳、か。
スーツ姿のせいで25歳くらいに見えちゃってたけど
「意外に若かったんですね」
「はは、それ超失礼」
「すみません…」
それでも、3つ上だ。
三年間に経験できることは、計り知れない。
だから周りには気付かないことを、察するのかもしれない。
だからこんなにも、…大人に、映るのかもしれない。
「てか前から気になってたんだけど、なんで"先生"?」
「は?」
「や、先生っちゃ先生なんだけど。呼び慣れてないから変な感じ」
「ああ…」
呼び方、か。
…それには、実は理由がある。
小学校何年の時だったか、クラスでモルモットを飼っていた時期があった。
しかしあたしはそのモルモット(正確にはネズミ類)が大嫌いで大嫌いで、見るだけが鳥肌が立つくらいに大嫌いだった。
そのモルモットの名前こそが、"なぎちゃん"。
最初の頃は朱美が先生のことを話す度に、過敏に反応していたが最近ようやく慣れてきたところである。
それゆえにその名を口にしないまま、現在に至るというわけだ。
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