第2話

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「……なにその理由」 なにって、言われても。 本当の事だから仕方ないじゃないか。 でも確かに、チューターを先生と呼ぶ人は少ない。 年齢もそう変わらないし、先生というよりかはお兄さんだ。 「先生、下の名前は?」 「担任の名前くらいは覚えるもんじゃないの?」 「…すみません」 「陽一郎。太陽の陽に、一郎ね」 "よういちろう" パズルがぴったりとはまったかのように、その語調は何の違和感もなく、ストンと頭の中に入っていく。 なんて、似合わしい名前なのだろう。 それ以上に相応しいものがみつからないくらい。 「でも太陽の陽って……」 「名前に文句つけるってひどくない?」 「そういうつもりじゃないけど…」 朱美が言ってたことそのまんまだったから、ちょっと驚いただけだ。 「じゃ、とりあえず"陽さん"で」 意表を突かれたのか、先生は目を見開く。 そしてすぐに、「なにそれ」と吹き出した。 「だって陽ちゃんってなんかピンと来ないし」 「ははっ、分かるわ」
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