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……5年か。
あっと言う間だったな。
渚の言うように、私はあの日から全然前に進めていない。
それが今の私の恋愛に繋がっていて。
渚が毎回の様に煩いくらい私に言うのは私を心配してくれてるからだって分かっていた。
『…前にね。私には出来そうもないな。ごめんね。渚。いつも心配させて。』
私の親友は本当に優しくて最高な親友だ。
「何言ってるのよ。私達、親友でしょ?何かあったらちゃんと言ってよね。私はいつだって侑李の味方なんだからさ。」
『ありがとう。渚。』
改めて渚が親友で良かったと思えた。
「侑李。そろそろさ。お兄さんに本当の事聞いてみたら?もしかしたら侑李の勘違いかもしれないじゃない?噂だって何処までが本当か分からないのにさ。真実を知ることも大切よ?」
……真実。
『…真実は見えてるじゃない。そのままよ。兄貴とあの時の話をしようとは思わない。噂だって何かなければそんな噂たたないでしょ。本当に聞きたい事は本人にしか聞けないでしょ?それが出来ないから…』
もう、出来ないから忘れられないんだ。
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