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「侑李。ホスト君に昔の事話してみた?」
カクテルを持ったままソファーから私の隣へと移ってきた渚。
『…話す訳ないでしょ。』
言ってビールをグッと呑む。
「話してみればいいじゃないの。ホスト君、侑李に本気みたいだし。きっとそう言うの知ったら、ホスト辞めるかもしれないわよ?」
『それは無いわね。だって、最初に言ったもん。どうやったら俺を信じるんだ?って聞かれたから、じゃあホスト辞めたらって言ったの。そしたら、それは出来ないって。あっさりね。夢の為にお金を貯めてるんだって。だから、目標額になるまでは辞められないってさ。それに、直ってさ。No.1らしいのよ。舞が言ってた。ホスト界じゃ、かなり有名らしいわよ。硬派なホストだってさ。ホストに硬派も軟派もあるかって話よね?』
新しいビールを取りに冷蔵庫に向かった。
「えっ?ちょっと待ってよ。もしかして、ホスト君って。尚夜?あの有名なホストの?」
驚き身を乗り出して私を視線で追う渚。
『知ってるの?そうみたいね。源氏名は尚夜だって言ってたし。』
ビールとカクテルを取り出してまた渚の隣に座った。
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