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「知ってるも何も。凄く有名なホストじゃない。凄く良い男なのよね。何か前に雑誌で見たことある。」
話がずれてきてますけど?渚さん。
『へぇ~。そんなに有名なんだ。全然知らなかった。そんな人なら尚更無理だね。もういいや。何も考えない事にした。』
何か考えるのが面倒になってきた。
「出たよ!侑李のめんどくさがり。恋愛で面倒になる?普通。今、悩んでたよね?だったら結論出るまで悩め!途中でやめるな!侑李さ。本当に次に進まなきゃ。逃げてばっかじゃダメになっちゃうよ。あの人の事はもう5年前の事じゃない。それに、あの人はもう…」
『やめて!口に出して言わないで!5年前でも私の中にはあの人がまだ居るのよ!あの頃のまま私の中に居るのよ!…ずっとずっと消えないの…。聞きたいこと沢山あったのに…言いたいことも沢山あって…それなのに…』
ダメだ。
思い出したら止まらなくなる。
「…ごめん。侑李。もう言わないから。ごめん。」
渚はそう言って私を抱き締めて髪を撫でてくれた。
昔の事は思い出したくない。
でも、私の中では消えなくて。
過去の想いに私はいつまで縛られて生きていくんだろう。
またそう思ってしまうのも直と出逢ってしまったからなんだ。
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