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『…ごめん。渚。渚にあたっても仕方ないのにね。』
「いいよ。侑李の気持ちを考えなかった私が悪いし。でもね。侑李。きっとホスト君は侑李の事まだ好きだと思うよ。ホストとしての姿を見せてしまった事、きっと後悔してるんじゃないかな。侑李が一番嫌がる姿を偶然だけど見られちゃってさ。侑李が酷い事言ってしまったのを後悔してるみたいに、彼も後悔してるかもしれないよ。もう一度彼に会ってみたら?素直にさ気持ち伝えてみたら?この手紙にも書いてあるみたいにさ。もしかしたら、一緒に乗り越えてくれるかもしれないじゃない。そう言うの全部分かって侑李を受け止めてくれるかもしれないじゃない。ねっ?侑李が好きだって思える様になった事はさ。少し前に進めてる証拠じゃない。侑李は独りじゃない。私だって居るし、彼だってきっと理解してくれるよ。まずは話してみなよ。ちゃんとさ。」
……渚。
『…でも…大丈夫かな?』
それでも不安で。
「大丈夫。だって、No.1ホストなのに全然そんなの侑李の前では見せなかったんでしょ?侑李がホスト嫌いだって分かってるから。良い人じゃない。侑李の嫌がる事をしないなんてさ。侑李の事を一番に考えてくれるんだよ?嘘も言ってなかったんでしょ?その夢って言うのも聞いてみなよ。その為にホストしてるんでしょ?No.1なら直ぐにお金貯めて、侑李の為に夢叶えるんじゃないかな。信じてみなさいよ。大丈夫だから。」
大丈夫。
渚の言葉が呪文の様に私の中にスッっと入ってきた。
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