第2章

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それから、注文を聞きに行った時も料理を運んだ時も何かと話しかけられた。 雅司の先輩に。 会計の時、雅司が来て支払いを済ませた。 『ありがとうございました。』 「あのさ。これ。良かったら連絡ちょうだい。」 そう言って携帯の番号が書かれた紙を手渡された。 連絡ちょうだい。って。 彼女居たじゃん。 紙をエプロンのポケットに入れてバイトを続けた。 バイトが終わって店の裏口から出ると 「侑李。お疲れ。終わった?」 待っていたのは 『タカ?どうしたの?珍しい。』 相葉隆。(あいば たかし) 彼女持ちの23歳。 車の修理工。 「いや。ちょっと会いたくなって。」 『ふ~ん。彼女と何かあったの?』 歩きながらタカに近付く。 「…まぁ。ん。色々。」 『そう。』 そのまま歩けば一緒に横に並び歩くタカ。 で、私のマンション。 『何か飲む?』 冷蔵庫から水を取り出しタカに視線をやる。 「あー。ん。ビールちょうだい。」 『帰らなくていいの?』 聞きながらビールを手渡した。 「今日は帰らねぇ。部屋ん中ぐちゃぐちゃだし。帰りたくねぇ。」 そう言ってビールをグッと呑むタカに詳しく話を聞かされた。
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