第2章

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どうやら彼女と喧嘩をしたらしい。 別れるとか別れないとか。 どうしてそうなったのかは知らないけど。 とにかく彼女が別れないと暴れたらしく、疲れたと言ったタカ。 『で、彼女はどうした訳?』 バイトで使ったエプロンを洗濯しようとバックから取り出しながら聞く。 「あいつの友達に電話して迎えに来てもらった。とりあえず落ち着いてからまた話そうって事になった。」 あっ。居酒屋爽やか君の番号。 エプロンのポケットに入れていたのを思い出し取り出した。 『そっか。大変だね。』 紙をテーブルに置いたら、それに気付いたタカが紙を手に取った。 「何これ。電話番号?」 『ん。今日のお客に、前に見かけた事ある人が来てさ。帰りにレジの所で渡された。良かったら連絡ちょうだい。って。』 それだけ言ってエプロンを洗濯カゴに入れて戻ると 『あれ?紙は?』 手に持っていたはずなのに無い。 「破って捨てた。何?連絡するつもりだった訳?」 『別に。するつもりはないけど。タカが捨てるのもどうかと思ってさ。』 ソファーに座りテレビをつける。 「何で?俺が捨てたらダメなのか?」 ビールを片手に私の隣に座ってくるタカ。
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