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「連絡くれないんだね。待ってたのに。」
そう言って私の腕を掴んだ雅司。
『連絡?あぁ。あの紙、破られて捨てられたから。』
立ち止まり言えば
「彼氏に?」
『違うけど。』
「何それ。まぁ。また会えたからいいけど。呑みに行かない?」
『彼女待ってるよ?帰れば?』
言って微笑む。
「…あー。そうか。最初、会った時にあいつ一緒だったんだ。」
ってか、忘れてたの?
『何?私騙して浮気するつもりだったの?』
「いや。そういう訳じゃないけど。」
『変な人。それ以外、何があるわけ?』
緩んだ手を振りほどき家へと向かう。
「あっ。じゃあ、送ってく。それくらいいいよね?」
そう言うと私の後に着いてきて
『もう、そこだから。じゃ、また何処かで。』
振り返り告げると
チュッっと頬にキスをされた。
『…そういう事するから、男って信じられないよね。じゃ、おやすみ。』
キッと睨んだ後、今度はニッコリ微笑んでマンションへと入った。
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