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「じゃあ、俺。結婚しない。侑李とは終わらせたくないし。」
横から抱き付いてくる雅司の手を退けてカクテルを呑む。
『いつかは終わるわよ。それが早いか遅いかってだけの話。私も好きな人出来るかもしれないし。』
カクテルをテーブルに置いて雅司を見る。
「それは嫌だな。侑李。俺だけ見ててよ。他の男にはやりたくない。」
何それ。
『私は雅司のものじゃない。彼女でもないし。雅司に縛られる覚えはないわ。そういう関係を望んだのは雅司でしょ?』
私を2番目に据えたのは雅司。
「……侑李。そんな事言うなよ。俺は侑李の事も…」
『やめてよ。割りきった関係がいいって言ったのは雅司よ?私は雅司が彼女と別れた時の保険じゃない。そういうの迷惑。私は雅司の一番になろうとか思ってないから。』
カクテルを一気に呑む私に雅司はそれ以上、何も言わなかった。
私は誰かの一番になろうとは思っていない。
一番になったところで、こうやって男は浮気をする。
そんなの耐えられない。
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