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「いらっしゃいませ。真田様。涼さんが待ってますよ。」
新人だろうホストに手を取られて階段を上がっていく舞の従姉。
「今晩は。君達、真田様のお連れさん?」
別な新人ホストが舞と私の所に来て聞いてきた。
……あのオバサン。私達を置いて行きやがった。信じられない。
「…えっと…彼女、何か怒ってる?」
不機嫌が顔に出たのだろう私を見て、新人ホストが舞に言った。
「あー。ん。大丈夫。いつもだから。侑李。ごめんね。あの人、自分勝手な人だから。気にしないで。行こう。ねっ?」
不機嫌な理由が分かったのか舞に言われ腕を掴まれた。
そのまま新人ホストの誘導の元、店内へと足を運んだのだが。
……本当。来るんじゃなかった。
「凄いね。侑李。」
すでに始まっていた誕生日イベント。
何かチャラい男と着飾った女が店内にわんさか居る光景に、本気で帰りたい私。
『…舞。帰っていい?っていうか、帰らせて。』
絶対に無理。
こんな中で呑んでも楽しくないし美味しくないはず。
イライラしてまで無理して居ようとは思わないでしょ。普通。
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