第3章

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「何でよ。せっかく来たんだから呑もうよ。」 私の手を握りブンブン振る舞。 『こんな中で呑む気しない。見てよ。チャラチャラした奴ばっか。あの女の人達の気が知れないわよ。』 本音が出た。 「随分な言われ様だな。」 店の入り口でそんな話をしていた舞と私の後ろに誰かが立っていた。   バッと振り返ると立っているのはやっぱりホスト。 まぁ。ホストクラブだし。 「…侑李。この人。凄く格好良くない?」 私に耳打ちするように囁く舞。 興味ない。 『舞。私、本当帰るわ。やっぱり無理。じゃあね。あの従姉のお姉様にもヨロシク言っといて。』 舞の肩にポンと手を置いてから手を軽く上げて出口へと足を返した。 「えぇ~!侑李~!」 振り返り舞にニッコリ笑ってバイバイと手を振る。 よしっ。帰ろう。 出ようとすると、まだ居るホスト。 『悪いけど通してくれる?』 見上げて微笑むと 「呑んでいきなよ。せっかく来たんだろ?」 片手をドアの前にやられて遮られている。 『…退いてくれるかな?帰りたいんだけど。』 今度は睨み付けた。
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