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「侑李。あんたもさ。いい加減、彼氏つくれば?」
大学のカフェテラスでランチ中。
中学時代からの親友、渚がパスタをクルクル巻きながら言った。
『彼氏ねぇ。っていうかさ、欲しいけどそういうの私には無理なんだよ。知ってるでしょ?』
自分でもどうしようもない事を言われ眉間にシワを寄せながら渚にそう言い返した。
「まぁさ。知ってるけど。でも、あんた次第だと思うんだよね。別にモテない訳じゃないしさ。っていうか、逆よ。モテるんだから出来ない方がおかしいって話よ。」
パスタを巻く手を止めて語尾を強めて言う渚にため息をついた。
『好きじゃない人にモテたって意味無いでしょ。私はね、自分が好きじゃなきゃ嫌なの。』
分かってるくせに。
そんな思いを込めて私も語尾を強めて言った。
「それがダメなんじゃない。だから、ちゃんとした彼氏が出来ないのよ。」
呆れたように渚に言われる。
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