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「侑李って、そういう所は真面目よね。感心するわ。兄貴って言えばさ、お兄さん元気かな?格好いいよねぇ。侑李のお兄さん。」
うっとりした表情に変わる渚に呆れる。
『あんたには愛しの松田君が居るでしょ。』
「それとこれとは別よ。侑李のお兄さんは憧れみたいな?だって、凄く格好いいじゃん。彼女出来たかな?」
キラキラした目で見るな。
『知らないわよ。兄貴の事なんか。格好いいって言うけど、一昔前はバリバリのヤンキーよ?それの何処がいいのよ。』
特攻服来て派手なバイク乗り回してたヤンキーだよ?
「知ってるわよ。だから格好いいって有名なんじゃない。地元じゃ知らない人居ないんじゃない?」
『バカで有名なのよ。あの兄貴のせいで私は迷惑しか被ってないわよ。本当、迷惑。』
大きな族の総長だった私の2つ上の兄貴。
それでさえ目立っていたと言うのに、これがまた誰が見ても頷く位の容姿を持っているという厄介な奴。
それゆえに、私が被った被害は多大だった。
特に女関係。
最低野郎だったから。
あー。思い出すのも嫌だ。
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