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嫌なことを思い出させた渚を睨みつつ話を続ける。
『で?渚は松田くんとデート?』
松田くんの大学も近くにあるから、ほぼ毎日の様にデートをしている二人。
「ん。今日は買い物に付き合ってもらおうかと思って。」
嬉しそうな渚。
『よくもまぁ。毎日デートするわねぇ。もういっそのこと一緒に住んじゃえば?』
「ん~。私もそれ考えてるんだけどね。その方が家賃とか光熱費とか食費とか?そういうの全部半分でいいしさ。」
だよね。
『松田くんは?言ってみたの?』
「まだ言ってない。一人の時間も欲しいしなぁ~とか思ってさ。」
あー。なるほどね。
『女磨きの時間とか?』
「そうそう。何かさ。パックとかしてる姿はさすがに見られたくないじゃん?」
確かにね。
『でも、そんな事言ってたら結婚とか出来ないでしょ。』
「それとこれとは別よ。恋愛してる時って、やっぱり彼の為にそれなりに努力して可愛くみせたいしさ。その努力を見せる訳にはいかないけど。結婚したらもうこっちのものじゃない。頑張りの度合いが違ってくるのよ。恋愛と結婚じゃ。」
…こっちのものって。
『…渚。あんた恐ろしいわ。』
「そう?女って皆そんなもんでしょ。」
平然と言って退ける渚を見て、そんなもんなのかと思ってしまう。
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