第4章

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嫌なことを思い出させた渚を睨みつつ話を続ける。 『で?渚は松田くんとデート?』 松田くんの大学も近くにあるから、ほぼ毎日の様にデートをしている二人。 「ん。今日は買い物に付き合ってもらおうかと思って。」 嬉しそうな渚。 『よくもまぁ。毎日デートするわねぇ。もういっそのこと一緒に住んじゃえば?』 「ん~。私もそれ考えてるんだけどね。その方が家賃とか光熱費とか食費とか?そういうの全部半分でいいしさ。」 だよね。 『松田くんは?言ってみたの?』 「まだ言ってない。一人の時間も欲しいしなぁ~とか思ってさ。」 あー。なるほどね。 『女磨きの時間とか?』 「そうそう。何かさ。パックとかしてる姿はさすがに見られたくないじゃん?」 確かにね。 『でも、そんな事言ってたら結婚とか出来ないでしょ。』 「それとこれとは別よ。恋愛してる時って、やっぱり彼の為にそれなりに努力して可愛くみせたいしさ。その努力を見せる訳にはいかないけど。結婚したらもうこっちのものじゃない。頑張りの度合いが違ってくるのよ。恋愛と結婚じゃ。」 …こっちのものって。 『…渚。あんた恐ろしいわ。』 「そう?女って皆そんなもんでしょ。」 平然と言って退ける渚を見て、そんなもんなのかと思ってしまう。
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