第4章

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「あっ。時間無いわ。ごめん。侑李。また明日ね。」 そう言って手を上げ走って行く渚の後ろ姿に軽く手を振った。 恋愛イコール結婚って、この間は言ってたのに。 恋愛と結婚に対する女の努力は違う訳ね。 私にはよく分からないけど。 何て考えて大学の校外へ足を一歩踏み出した時だった。 「榊侑李。」  突然。横から名前を呼ばれ振り返った。 ……誰。 そこには見知らぬ男。 「夕べはど~も。」 夕べ? 「おいおい。覚えて無いとか言うなよ?」 夕べはファミレスでご飯食べて帰って寝たけど。 『……えっ?あんた誰?』 どう考えても身に覚えがない。 人違い…じゃないよな。 私の名前をフルネームで呼んだし。 「…おまえ…本当、最悪な。」 あー。その言葉で何となく分かった。 でもさ 『…何であんたがここに居る訳?』 ってか、何で私の名前を……。 あー。舞か。 昼間のあの態度の意味をここで初めて理解した。 あのバカ舞。 大学も名前まで教えやがって。 2度と会うことは無いと思っていたのに。
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