第5章

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私の恋愛論はいいとして。 今日の講義も終わり、今からバイトに行く予定なんだけど。 何だろうね。 この目の前の状況は。 「どーも。」 校門の前にいかにもなホストの姿。 素通りしてみた。 「おいっ!榊侑李!無視すんな!」 捕まった。 『…大きな声でフルネームで呼ばないでもらえます?ってか、何?!』 まだ根に持ってるのかよ。 「少しだけでも話聞けよ。」 …いやいや。無理。 『無理。この間の事はちゃんと謝ったでしょ。慰謝料とか払えないから。しがない学生なんで。じゃ。』 「…本当、お前って…ムカつくな。」 お前に言われたくない。 『そりゃどーも。バイトなんで離してもらえます?あなたも今からご出勤でしょ?早く沢山の女性達を喜ばせなきゃ。いってらっしゃーい。』 早く離しやがれ! 腕を引っ張ってみてもガッチリ掴まれている。 『っちょっと!本当、離してよっ!』 逆に腕を引かれた。 「騒ぐなよ。とりあえず乗れ。」 って、おいっ! そのまま車に乗せられた。 『っちょっと!何よ!降ろしてよっ!』 ドアを開けようにもキーレスで何度も鍵を閉められ、挙げ句の果てには出発しやがった。 「うるせぇな。諦めろよ。」 横で涼しい顔で運転しているホスト。 ……ムカつく。
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