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『…ここでいいです。』
店の手前で止めてもらう。
「何処?バイト先。」
辺りをキョロキョロしているホスト。
『じゃ、有難うございました。さようなら。』
質問を無視してドアに手をかける。
「おい。待てよ。」
…何なんだよ。
『…あのさ。バイト遅れるって言ってるよね?さっきから言ってるよね?あんたバカなの?』
もう、呆れる。
「お前さ。彼氏居るの?」
腕を掴まれて聞かれる。
『…何でそんなことあんたに言わなきゃいけないのよ。本当、ムカつく。だから、ホストって嫌いなのよ。』
睨み付け言った。
「ホストとか関係ねぇだろ。俺は一人の男としてお前に聞いてんだけど。榊侑李。」
『…フルネームで呼ぶな。一人の男だろうがホストだろうが関係無いのよ。私、彼氏とか要らないから。必要ないの。答えたんだから、離してよ。』
今度はあっさり離した。
「ふ~ん。居ないのか。」
『居ないんじゃなくて、要らないの。って!もう!時間ないしっ!じゃあね!ありがと!』
バッとドアを開けて店に走った。
これが失敗だったと後から気付く事になろうとは…。
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