第5章

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『…ここでいいです。』 店の手前で止めてもらう。 「何処?バイト先。」    辺りをキョロキョロしているホスト。 『じゃ、有難うございました。さようなら。』 質問を無視してドアに手をかける。 「おい。待てよ。」 …何なんだよ。 『…あのさ。バイト遅れるって言ってるよね?さっきから言ってるよね?あんたバカなの?』 もう、呆れる。 「お前さ。彼氏居るの?」 腕を掴まれて聞かれる。 『…何でそんなことあんたに言わなきゃいけないのよ。本当、ムカつく。だから、ホストって嫌いなのよ。』 睨み付け言った。 「ホストとか関係ねぇだろ。俺は一人の男としてお前に聞いてんだけど。榊侑李。」 『…フルネームで呼ぶな。一人の男だろうがホストだろうが関係無いのよ。私、彼氏とか要らないから。必要ないの。答えたんだから、離してよ。』 今度はあっさり離した。 「ふ~ん。居ないのか。」 『居ないんじゃなくて、要らないの。って!もう!時間ないしっ!じゃあね!ありがと!』 バッとドアを開けて店に走った。 これが失敗だったと後から気付く事になろうとは…。
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