第6章

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「だったらお前って処女?」 腕を引き寄せられて至近距離で言われた。 ……あー。もう、限界。 掴まれていない方の手に拳をグッと握り締めニッコリ笑った。 『…んな訳ないでしょ!!』 自分の身体を引き思いっきり鳩尾に拳をお見舞いしてやった。 ゥグッ。っと鳩尾を両手で押さえて踞るホスト。 『これに懲りて私には2度と近付かない事ね。じゃ、お大事に。』 してやったりでルンルンで後ろ手を振って立ち去ろうとした時。 「てめぇ。コラッ。なめてんじゃねぇぞ。」 振った後ろ手をまたガッチリ掴まれた。 …ヤバい。 『…案外、タフなのね。ホスト君。』 振り返り言うと 「そりゃど~も。女のボディーブローに殺られる程、柔じゃないんで。」 そう言って腕を引っ張り車に乗せられた。 ……何か。もう、相手すんのも疲れた。 大人しく座ってる私を見て 「諦めたか?やけに大人しくなったな。」 エンジンをかけてホストが言った。 『面倒くさくなってきた。送ってくれるんでしょ?早く車出してよ。』 シートベルトをカチャっとはめてホストを見る。
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