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……本当に来やがった。
渚とランチをして別れた後、今日は早めにバイトに入った私。
夕方になり店にやって来たのはホスト直。
『…いらっしゃいませ。』
今日は一人だ。
「ど~も。ってかさ、お前。今日早かったんだな。学校前で待ってたのによ。いつまで経っても出て来ねぇし。こっちに来た方が早いと思って来てみたら。言っとけよな。早いなら早いってよ。」
……ムカつくんですけど。
『……ご注文お決まりに…』
「珈琲。」
私の言葉を遮るように言うホスト直。
『お待たせしました。』
珈琲をテーブルに運ぶと
「今日迎え来れねぇけど。マンション行くから。侑李のケー番教えて。」
……殴っていいかな?
なんだ?!さっきから、こいつの態度。
『…あのさ。私、あんたの彼女でも何でもないわけよ。』
「ん。だから?」
珈琲にミルクだけ入れてかき混ぜているホスト直。
『…だから、その態度かなりムカつくんですけど。』
…冷静に。一応、客だし。
「何だそれ。ってか、ケー番。これに書いて。俺のも一応やっとく。」
私のエプロンのポケットからボールペンを勝手に取り、紙ナプキンに番号を書き出したホスト直。
……おい。ホスト直。いい加減キレるよ?
『…あんたさ。マジ、ムカつく。』
「はい。これ。俺のケー番な。プライベート用だから。お前のケー番は?ってか、今スマホ持ってる?俺のにかけてみろよ。」
…さっきから全く私の話は無視ですか。
『…持ってないわよ。』
持ってるけど。
正直に言う訳ねぇだろ。
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