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バイトも終わり帰る途中に渚に電話した。
『もしもし?渚?今夜泊めてよ。』
何故ならあいつが来そうだから。
【侑李?どうしたの?急に。何かあった?】
『あいつが現れたのよ。バイト先に。で、今夜はマンションに来るとか言いやがって。ケー番も知られちゃったし。逃げとくの。』
説明をすると
【何だ。そんな事?珍しく深刻な声で言うから何かと思ったわよ。今夜は無理よ。】
冷たい渚。
『松田くんの所?もしかして。』
【そう。明日、ゆっくりだし。今夜はこっちに泊まるから。】
『…親友の危機に冷たい女ね。』
【危機でも何でもないじゃない。ケー番知られてもマンションの部屋までは知らないんでしょ?そしたら、電話来ても拒否ればいいでしょ?あんたもさ、そういうところ抜けてるわよね。】
……なるほど。
『分かったわよ。この裏切り者。』
言わなきゃ気が済まない私。
【何言ってるのよ。知恵を与えてあげたでしょ?感謝しなさいよ。じゃ、また明日ね。】
…切りやがった。
渚は私の性格も対処法もよく知っている。
本日、二度目の悔しさ。
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