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「堕ちたな。でも、それは仕事。今は完全にプライベートだからな。言ってるだろ?本気だって。」
顔を近付けて後ろから囁く。
『プライベートだろうが仕事だろうが。私には関係無いから。早く退いてよ。』
絶対、後ろは振り返らない。
何故ならホスト直が近すぎるから。
「侑李。こっち向けよ。俺を信じろよ。お前の事、すげぇ大切にすっからよ。なぁ。侑李。」
……耳元で囁くな。
『しつこい。嫌なもんは嫌なの。私はね。愛にすがり付いて生きていきたくないのよ。いい加減にしてよ。』
シンクのカップをサッと洗って水を止めた。
「お前、昔何かあったのか?恋愛出来ねぇ様な何か。」
…ちょっと、もう限界。
『…無いわよ。あんたみたいな奴は身近に居たけどね。って、もう離れてっ!』
ホスト直の脇腹に肘鉄をくらわした。
「…ってぇな!お前、もう少し女らしくしろよなっ!」
脇腹を押さえ離れたホスト直の横をサッと通り抜けた。
『別に。あんたに女だと認められなくて結構。』
べぇ~っと舌を出してソファーに座った。
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