第7章

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『そう。私には全く無関係な世界だし。私なんかより、あんたに相応しい女が現れるわよ。きっと。だから、私はやめた方がいいわよ。堕ちないから。』 足を元に戻して座った。 「俺さ。夢があって。」   私の話を完全スルーして話し出すホスト直。 『…何よ、突然。』 「その夢の為に金貯めてるんだ。小さな夢だけどさ。ずっと幸せに暮らす為にはある程度の貯蓄をしとかねぇといけねぇんだ。でな。その夢にお前も必要なんだ。だから、俺は諦めない。」 ……えっと…どう反応していいもんか。 『…勝手にあんたの夢に巻き込まないでよ。迷惑。』 「だってさ。もう、お前との未来予想図が出来上がってんだよ。お前と出逢ってから、それ以外の事が考えられねぇし。お前に蹴られようが殴られようが、俺にはお前しか居ない。」 『……くさい台詞ね。そうやって嘘ばっかりで出来てるの?あんたの頭の中。』 信じられる訳無いでしょ。 「…お前さ。本当、ひねくれてるよな。どうやったら信じるんだよ。俺は夢の話も初めて他人にしたんだぞ。信じろよ。」 それも嘘か? 『…夢の為にお金貯めてるとか言ってさ。車だって高級車乗ってるし。どうせ住んでる所も高級ビルの最上階とかなんでしょ?着てるスーツもブランドみたいだし。よく言えたもんね。本当に呆れる。』 ホスト直を上から下まで軽蔑の眼差しで見た。
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