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「あの車は後輩のだよ。このスーツは客からの貰いもん。住んでる所はおんぼろアパート。」
『はいはい。嘘もそこまでいけば立派だわ。』
「嘘じゃねぇよ。何なら確認するか?車には車検証のってるし。今から俺のアパートに行ってもいいし。どうする?それが全部本当だったら、俺との事考えてくれるか?」
……何だ?その自信は…。
『…じゃ、じゃあさ。私のバイト先に来たときは支払いもあんたがしてたし、お釣りも受け取らなかったし。本当にお金を貯めてる人の使い方じゃなかったわよ。』
どうだ!言い訳出来るか?
してやったりの顔をしてホスト直を見た。
「あれはさ。お前に会いたくて。でも一人で行けばお前絶対怒るだろ?だから、後輩に奢るから付き合ってくれって言って付き合ってもらったんだよ。お釣りも受け取らなきゃ、またお前と会えるきっかけになるだろ。だからだよ。普段は外食とかしねぇし。客が同伴したいって時だけだよ。俺、よく言われんだよ。付き合い悪いってさ。それでも俺は早く金貯めたいから。目標額になればホストも辞めるし。それまでは仕事って割り切ってやってんだよ。」
…ウッ。墓穴掘った感…。
『あー!もうっ!分かった!そこまで言うなら、さっきの事全部確認する!それが全部、本当なら少しは考えるわよ。でも、そこに少しの嘘でもあれば2度と付き纏わないでよね。いい?』
話が平行線で進まないのにイラついてきた。
「あぁ。いいぜ。全部、確認しろよ。俺、お前に嘘ひとつもついてねぇから。」
ニヤリと笑ったホスト直に鳥肌が立った。
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