第9章

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「そう言えばさ。あれからどうなったのよ。」 今日のランチは大学の外のベンチでコンビニのおにぎり&サラダ。 『何がよ。』 渚の質問におにぎりを頬張りながら聞き返す。 「何がって。ホストよ。ホスト。考えるって言ってから話聞いてないけど。あれからどうなったのよ。」 ……そうだった。 あれから2週間。 渚には直との同棲生活の話はしていない。 『…ん。あ~。あれね。な、何も無いわよ。あっ。あれじゃない?飽きたとか?他にターゲットが出来たとか?』 必死に誤魔化す私。 「怪しいわよ。何焦ってるのよ。あんた。何か隠してるでしょ。」 ……うっ。さすが付き合いが長いだけあって鋭い。 『…ま、まさか。そんな渚に隠し事なんて…』 「はい。うそ~。侑李、嘘つくとき鼻の頭指で掻くのよね。あんたと何年付き合ってると思ってるのよ。で?何があったのよ。」 ……私、そんな癖があったのか? 『…えっと…ね。…同棲…してます…。』 小さな声で言った。 「えっ?何?聞こえない。」 …やっぱり? 『…同棲…してます。』 今度は聞こえたよねぇ。 聞こえない方がいいんだけど、聞こえたよねぇ。 「はっ?!何?!同棲してるの?ホストと?!ちょっと!侑李!あんた大丈夫なの?!」 ですよねぇ。 そんな反応だよねぇ。
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