第9章

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「何で困るのよ。ちゃんと付き合えばいいじゃない。良い人なんでしょ?」 『良い人なんだろうけどさ。って言うかさ。渚、ホストとか無理だって言ってたわよね?他人事だと思って適当な事言わないでよね。』 「でも、ホストっぽくないんでしょ?侑李の前ではちゃんと普通なんだったら彼氏にしても問題ないじゃない。それにね。私は侑李にちゃんとした彼氏が出来てくれた方が安心なのよ。」 ゴミを片付けながら渚が言った。 『それよ。彼氏なんて要らないって考えは変えてないから。だから、困ってるのよ。誰かの一番なんてなりたくないのよ。もう、あんな思いしたくないの。』 私もゴミを袋に入れ込む。 「何。あんた、まだ昔の事引き摺ってるの?もういい加減忘れなさいよ。」 『それが出来たらこんなふうになってないわよ。それに、私の前ではホストっぽく無くても実際ホストだし。どんなに良い人でも女相手に甘い台詞言ってるのよ?何言われても嘘っぽく聞こえるじゃない。』 ベンチから立ち上がり渚を見る。
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