第9章

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本音を言えば、直に惹かれていく自分が居るのは確かで。 好きとかまだそこまではないんだろうけど。 気になる存在なのは認める。 でも、それを拒否る私が存在するのも確かで。 だから、早くやめよう。 こんな曖昧な同棲生活。 直には明日の朝にちゃんと話をしようと決めた。 このまま同棲生活を続けたら、たぶん私は直を好きになってしまう。 だけど、私は直を信じる事は出来なくて。 苦しんでしまうのが分かっているのに直と付き合う事は出来ないから。 直には悪いけど、やっぱり早く終わらせなきゃいけないと思う。 珈琲を飲み終わった直を見て、視線を反らすように他のテーブルに注文を聞きに行った。 レジには先輩が行ってくれたのを見て安心する。 ごめんね。直。 私にはやっぱり無理だ。
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