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「大丈夫か?侑李。」
部屋に入るなりソファーに座った私に声をかける直。
『ん。大丈夫。少し驚いたけど。ごめんね。何か。嘘つかしちゃってさ。』
「嘘じゃねぇし。俺は侑李を幸せにする。」
……どうしよう。
何か言いにくくなってきた。
『…直。仕事は?同伴したんじゃなかったの?』
約束してたよね?
「あぁ。大丈夫。仕事はちゃんとしてきたから。侑李の様子が気になってさ。太い客に連絡して同伴したから。2、3時間したら今日の目標額には達したし。だから上がってきた。」
『…太い客?何それ。』
ホスト用語か?
「あー。分からねぇよな。太い客ってのはさ、金持ちの客。セレブな奥様って奴かな。金を惜しまないで使うからさ。すぐに売上伸ばしてくれるんだよ。」
『…何か…久しぶりに直がホストだって実感した。』
何か嫌だ。
「悪い。侑李の前ではちゃんとするつもりだったのに。店の話とかするつもりは無かったんだけど。」
バツが悪そうに頭を掻く直。
『私が聞いたんだし。別にいいんだけどさ。』
「で?侑李の話って何だったの?気になってさ。仕事どころじゃなかったってのも本心なんだよね。」
……そうだった。
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