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「侑李。俺、本当に侑李だけだ。絶対裏切らない。約束する。俺を信じて。俺だけを好きになって。なぁ。俺の一番になって。侑李。」
両手をギュッっと握られて直に言われた言葉は、心の奥にグッと痛みを与えた。
『…ごめん…直…無理よ…』
「侑李!ちゃんと俺を見ろ!」
グッと腕を掴まれた。
『…だって…嫌だもん。…直…好きになって
も…直を疑ってしまうのも…嫌。…私…もう…あんな思い…したくないの…』
真剣に私に向き合う直に不覚にも本音をさらけ出してしまった。
「…あんな思いって。何があったんだよ。侑李。俺、お前の事全部知りたい。だから教えろよ。昔、何があったんだよ。」
ハッとした。
ダメだ。流されたらダメだ。
『…直…ごめん…お願いだから…出て行って?まだ、アパート解約してないよね?今日はもう遅いから…。明日でいいから。ごめんね。私がいい加減だから、変に期待させちゃって。直がホストとか関係無く凄く良い男だって事はちゃんと分かったよ。色々とありがとね。仕事頑張って。私、お風呂入りたいから。夕飯、冷蔵庫に入れててくれるかな?明日の朝もらうね。今日は少し疲れたからお風呂入って寝るね。おやすみ。直。』
ダメだ。このまま直と話していたら。
バッっと立ち上がり直に喋る間を与えない様に言いたいことを言ってお風呂へと足を向けた。
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