第10章

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「ん~。モテるのはモテるらしいけど。何か従姉が言うには、尚夜は誰にもなびかないから硬派ホストで人気が高いみたいよ。どんな客にも媚びないし同じ様に接するって。だから、客が気持ち良く呑んで帰れるっていうの?扱いが丁寧だしファンが多いみたいね。強敵だって従姉が言ってた。」 ……聞かなきゃよかったかも。 硬派なホストって。 そんなの聞いたことないわよ。 ホストならホストらしく、軟派でよかったのに。 『…そう。まぁ。私には全然関係無いからどうでもいいけど。とにかく、舞。今後、勝手に人の情報漏らさないでよね。』 釘を刺しとかないと、こいつは。 「はいは~い。大丈夫よ。じゃ、また合コン付き合ってね♪」 ……大丈夫そうじゃないですけど。 手を振り駆け足で構内へと向かう舞の後ろ姿に不安をおぼえる。 それにしても、No.1ホストだったなんて。 そんな事、一言も言わなかった。 聞いてどうって訳でもないけど。 でも、普通のホストならNo.1とかって自慢しそうなもんだけど。 直は本当に仕事としてホストをしているんだと思った。 普通の会社員と変わらない。 直にとってホストとはお金を逸早く貯める為の手段なのだと。
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