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三上
視線を感じはじめたのは彼が転勤して来てからだった
仕事中ふと顔を上げると眼が合う事もあって
柔らかく微笑まれてドキドキして眼を逸らして慌てて仕事をする
俺は上司なのに…
そんな彼が転勤前に関わっていた得意先が最近急に態度を変えてしまい
彼がその得意先に話しを聞きに行く事になった
桧垣頑張ってなと声をかけたら彼はきょとんとして
課長も一緒に行く筈ですがと当たり前のように言う
「え?俺は聞いてないぞ そもそも何の面識の無い俺が行ったって意味がないだろう」
「そんな事はありません 僕の上司は三上さんですし僕が一人で伺うよりも先方には好印象だと思います」
「そ…そうか…わかった……」
整った美しい顔に優しく見つめられて
俺はどぎまぎしてそう返事をするしかなかった
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